孫子とは:二千数百年前の兵法家『孫武』の著
二千数百年前って やばっ
それが今でも参考になるってすごいですね
孫子の兵法は、兵法書としてだけではなく、「人間関係の書」「経営戦略のの書」としても活用できるので、今更ながら初めて読んだけど、すごく勉強になりました。しっかりと記憶に残すためにも、重要部分を抜粋して紹介したいと思います!!
全部で13編ありますが、本日は1編から3編まで綴りたいと思います。
Ⅰ.始計篇〔事前に的確な見通しを立てる〕
中国では昔から戦争は、何も生まない「最終経済」と言われてきたようですね。老子では、「兵は不祥の器」 史記では、「兵は凶器」と記されているらしい
1.まず、戦力の検討を行うために、次の5つの戦争の基本問題が記されている。「道」「天」「地」「将」「法」
2.そして、次の七つの基本条件に照らし合わせ、彼我の優劣を比較検討する。①君主は立派な政治を行っているか②将師はどちらが有能か③天と地の利はどちらにあるか④法令の徹底⑤軍隊の精強度合い⑥兵卒はどちらが訓練されているか⑦賞罰はどちらが公正になされているか 以上の七つから勝敗の見通しを立てる
つまり【天と地】【人(将と兵※軍)】【法律と策】の3つが重要であると僕は解釈しました!
でも、「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」のことわざにあるように、勝つためには原則を守るだけではダメみたいです。
いかに基本と応用の両面に熟達するかが重要!
Ⅱ.作戦篇〔速戦即決で早期収束を心がける〕
1.戦争には莫大な費用(内外の経費、軍需物資の調達、車輌、兵器その輸送)と兵力が必要
「兵は拙速を聞くも、未だ巧久をみざるなり」 つまり戦争が長期化して、国家にとっての利益が増したことは未だ無い。
長期戦→軍は疲弊→士気は衰える→財政も危機→たとえ勝っても諸外国から攻めいられる
2.三大規則八項注意で敵の装備、兵器を味方にする
【三大規則】①いっさいの行動は指揮に従う②大衆のものは絶対に取らない③いっさいの鹵獲品は公のもの
【八項注意】①言葉は穏やかに②売り買いは公正に③借りたものは返す④壊したものは弁償する⑤人を殴ったり罵ったりしない⑥農作物を荒らさない⑦婦人をからかわない⑧捕虜をいじめない
なんか、凄く誠実ですね。戦争を行っている人間(時代)がこのような感覚は持ち合わせているんだと思いました。ということはやはり戦争が目的ではなく最終政治なのですね。。。
3.勝ってますます強くなる
兵士を戦いに駆り立てるために、敵愾心を植えつける。手柄に見合う賞賜を約束し、結果が出れば表彰する。また捕獲した戦車は軍旗を付け替えて、味方の兵士を乗り込ませ、捕虜にした敵兵は手厚くもてなす。
経営本ですね。これは。
Ⅲ.謀攻篇ぼうこうへん〔戦わずして勝つことが最大の勝利〕
〔戦わずして勝つことが最大の勝利〕 。。。そりゃそうだろうw と思いましたが、事前に策を練ることが重要なのですね!
1.上兵は謀を伐つ
戦い方として、①最高の策は事前に敵の意図を見破り、封じること②次は、敵の同盟を分断させ孤立させること③次に戦火を交える④最低の策(やむなくの手段)として、城攻め とある。④の城攻めは、兵力の犠牲と、時間、資金がかかる
ちなみに、豊臣秀吉は、播磨、但馬、備前 をとるのに、合戦という合戦をせず、外交と謀略で相手を降伏させた。信長が成しえなかった「天下統一」を秀吉が比較的短時間で完成できた一つの理由らしい。
2.勝算がなければ、戦わない
現代企業経営者においても、ゴーサインは出しやすいが、トップとして問われるのは、形勢利あらず、劣勢に立たされた時の判断である
撤退時のタイミングが重要なんですね。。
ただし撤退といっても、これは敗北思想ではなく、むしろ反転攻撃に出るための積極戦略ということなんだって!なるほどなるほど。。
3.君主の口出し
これは分かりやすいですね。僕もついつい部下に口を出しすぎてしまいいつも反省します。僕が上司でなければ部下は今頃もっと育っているとお思う。
面白い話が書いてありましたので紹介します
日露戦争の時の、満州軍総司令官 大山元帥と参謀長 児玉大将が非常に良い関係であったらしい。
大山元帥は、茫洋として、トボケの名人。児玉大将はそんな人柄の大山に心腹していた。大山も児玉を信頼しているので、作戦のいっさいを児玉に任せた。
ロシア軍の砲弾が、司令部の近くに落ちてきてものんびり昼寝を楽しみ、時々、児玉らが作戦を練っている席に顔を出して、「今日も戦争でごわすか」などとトボケていたらしい
おもろすぎる笑
Ⅳ.軍形篇〔不敗の態勢で自然の勝利を目指せ〕
自国の態勢を固めれば不敗はできるが、必勝は相手による
→勝利は予見できるが、必ず勝てるとは限らない
まず勝って、それから戦う
→政治を確信し法令を貫徹し、勝利態勢を整える。
Ⅴ.兵勢篇〔集団の力で発揮して勢いに乗るべし〕
一.分散(軍の組織と編成)→組織の原則
一.形名(軍の指揮系統)→組織の原則
一.奇正→正は正攻法のこと、奇は奇襲のこと
一.虚実
集団の力学:近年でも個人の能力開発、研修等を行われているが、個人の能力開発に終わり、集団の力を引き出すには至っていない。※個人の能力開発は個人の責任で行うべきである
→組織側はむしろ集団の力を引き出す努力をする必要がある
本当にそう思う今日このごろ。。。
Ⅵ.虚実篇〔主導権を握って変幻自在に〕
●こちらの作戦行動に乗せる
●守らざる所を攻める
敵が守ってないところを攻める
敵が攻めてこないところを守る
敵がいないところを進む
私は、つい攻めて来るところを守ってしまう。。。。
これを現代の会社経営に当てはめると、「兵力劣勢」の中小企業が大企業に互していくには一点集中主義→有力なアイデアで勝負するしかない
相手がどんなに強大であっても必ず手薄な部分がある。その隙を攻める →【実を避けて虚を撃つ】
Ⅶ.軍争篇〔迂直の計で相手の油断を誘う〕
「迂」とは回り道→曲線
「直」→直線
わざと回り道をして相手を油断させ、一気に攻める
風林火山に続きが!
●戦闘べからずの8項が紹介されていたが、その中でも1項
逃げ道をたたれた敵は死ぬ気で反撃してくる→窮鼠猫を噛む
これは私もビジネスで上司が最終追い込まずに逃げ道を与えているところを、垣間見た経験から、自然に備わっていたような気がします。
残りは かぶる部分が多いので割愛します。
全て読んだ印象としては、原則やら決まり事が多く一夜つけで覚えられるものではないですね。当たり前でしょうが。
ですが、感覚(雰囲気)はつかめました。これはこれから人間関係やビジネスシーンにおいて、迷った際の参考書の一つになると思います。
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